ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

ヤバい経済学 [増補改訂版]

ヤバい経済学 [増補改訂版]

2006年のベストセラー。たまたま友人の家にあったので拝借。
ヤバい、というタイトルがなんとも適切。
経済学チョーやばくない?っていう女子高生的発言がぴったりな内容でした。

説明のためのノート
序 章 あらゆるものの裏側
第1章 学校の先生と相撲の力士、どこがおんなじ?
第2章 ク・クラックス・クランと不動産屋さん、どこがおんなじ?
第3章 ヤクの売人はどうしてママと住んでるの?
第4章 犯罪者はみんなどこへ消えた?
第5章 完璧な子育てとは?
第6章 完璧な子育て、その2 ――あるいは、ロシャンダは他の名前でもやっぱり甘い香り?
終 章 ハーヴァードへ続く道二つ


魅力的な項目が並んでますね。著者のレヴィットはシカゴ大学で経済学の教鞭を取っている方らしんだけど、とても学者さんが書いたとは思えないような内容です。副題“悪ガキ教授が世の裏側を探検する”とあるように、好奇心を最大の原動力として世の疑問を解決。日本の相撲の力士が八百長を働いてる証拠、アメリカにおける犯罪者の減少の一番の理由は中絶の合法化、銃よりもプールが危険、などなど一般の感覚(通念)では考えられないような答えを経済学の手法を使って実証している。文章が軽妙でおもしろい。ここは共著者のダブナーの力なんだと思う。

統計とインセンティブ理論を駆使して問題の解決を図るんだけど、簡潔な説明で非常にわかりやすい。決して経済理論の入門書を期待してはいけないが、経済学というものを身近に感じる、そして何より学問の目的、日常の問題を解決する、ということを意識させてくれる本である。

今年1冊目