1980(イチキューハチマル) (2003)

     1980(イチキューハチマル) [DVD]

舞台は1980年12月の東京。羽柴キリナ(ともさかりえ)は、元B級アイドル。1年間の疾走後、教師になる為、母校に教育実習にやってくる。在校生の妹リカ(蒼井優)はキリナの授業を受けるハメに。教師の姉カナエ(犬山イヌコ)は同僚に。そんな三姉妹はそれぞれの問題に直面していた。リカはボーイフレンドの為に自主映画でヌードになること。カナエは夫とのケンカで、実家に帰ったまま引っ込みがつかないこと。レイコは元・マネージャーの瀬戸(田口トモロヲ)が暴露本を出版すること。 そんな中、レイコは元・恋人の歌手(及川光博)と再会する!

 昨日のグミチョコレートパインに続きケラリーノ・サンドロヴィッチ監督特集@早稲田松竹。同監督の初監督作品。最初グミ・チョコレート・パインだけ見ようと思っていたが、好きな蒼井優が出てるのを知り鑑賞。


 男に翻弄される年の離れた三姉妹を80年代のカルチャーと共に描く。出だしのあまりのB級テイストにちょっと引いてしまい全部見られるか心配だったが、三姉妹の登場と共に面白くなってきた。歳の離れた三姉妹が、それぞれの年代が持つ感受性をうまく表現している。私は80年代を生きた人間とは言えないので、不思議な感覚でこのジェネレーション・ムービーを見ることができた。現代の私たちが『ALWAYS 三丁目の夕日』を見るように、もう終わってしまった時代の話である。だから、この不思議な感覚をノスタルジィと言っていいのか分からないが、少し寂しいような感覚にとらわれた。あらゆるものが形式的になり、個人化しはじめた80年代とそしてそれに続く21世紀を生きる私たち。両方のつながりを思いながら見るべき映画である。


 蒼井優は大好きな女優なのだが、少しセリフがたどたどしいところがある。それも含めて彼女の魅力なのだけれども。聖子ちゃんカット?が似合っていて可愛らしい。三姉妹のなかで、蒼井と彼氏のやりとりが、一番魅力的だった。彼氏がなんともいい味を出している。

1980(イチキューハチマル) [DVD]

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