NHKスペシャル 言論を支配せよ〜“プーチン帝国”とメディア〜

英語の授業で鑑賞した。


NHKスペシャル 言論を支配せよ〜“プーチン帝国”とメディア〜
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080512.html


内容はショッキングなもので、表現の自由というものがいかに尊いものであるかを確認することができた。かいつまんで言うと、ロシアでは、ソ連崩壊後に、政府に批判的な報道がなされるようになったが、プーチン政権の登場とともに主要テレビ局を政府系企業によって支配されたり、批判的な新聞機関の記者が拘束されたり、殺害されたりした。


政府機関にとって、メディアによって批判的な報道をなされることは害悪でしかない。歴史的にみても為政者は常に言論を支配しようとしてきた。公正な報道というのは民主主義の根幹をなすものだから、そいつを破壊してしまうのが最も簡単な支配のやり方だ。


しかし、実際にそれを、この現代においてやってしまおう、という国があるということは知っておかなくてはならない。終戦以前の大本営発表のようなものは、決して遠い昔の話ではないんだ、ということを思い知った。


ところが、である。


番組の最後には、地方の農村地域に住む家族が紹介される。熱狂的プーチン支持者である。彼は、国の発展のためには「強いリーダー」が必要であるという。その「強いリーダー像」というものが情報操作の結果であることを知ってか知らずか、彼はこういうことを言うのだが、プーチン登場以降ロシアが経済的に復興したことが事実で、その結果にメディア支配が貢献したことは確かであるように思う。


日本に目をやれば、政府批判なんていうのは当然のニュースであり、人気あるコンテンツであるように思える。福田内閣の支持率は五月の調査によると20%を切ったらしい。とんでもない弱いリーダーである。もちろんマスメディアに批判されるような失態をおかす方が悪いのだが、その失態を無理矢理つくり出しているという状況があることは否定できない。



「強いリーダー」と「弱いリーダー」、どちらもメディアがつくり出した虚像だとしたら、いずれにせよメディアのあり方を考える必要がある。